目次
作る、使う。世界に1つだけの1品
「陶は人なり」
焼き物は作り手の人格や心を映す作品の1つ。土の素材が作り手の人柄や心を、手のひらから体温と共に吸い取り、形が出来あがっていきます。
創造して鑑賞するだけで終わらず、食器などにも使われる「用と美」の芸術である陶芸の世界。当サイトでは、その広大な世界の中から「小代焼」にスポットを当ててご紹介していきます。
一般的な小代焼の特徴
小代焼は約300年間、人々の暮らしの中で生きてきた素朴な色と形の焼き物です。
釉薬は深く、自由奔放な流し掛け模様が、器の形と相まって魅力が高まった作品。色も様々で、青小岱、黄小岱、白小岱などがあります。その中でも最も一般的なのが黒褐色、灰色、暗青色など渋い地色が多い。小代焼には特有のワラ灰釉の白流しかけがある。
力のかかるところは思い切ってて頑丈。力のかからない箇所は出来るだけ薄くされていて、使いやすさを求めた細かな配慮がされている作品が多い。
荒尾の小代焼の特徴
小代焼きは近隣の玉名市や南関町にも窯元があります。けれど焼き物は、作り手の工夫などで特徴が変わります。本ページでは、荒尾市内の窯元が作る焼き物の特徴をまとめました。
荒尾市窯元一覧
>GoogleMapで窯元めぐり「荒尾窯元関連MAP」はコチラ
小岱焼末安窯
〒864-0166 熊本県荒尾市府本1712-2
小代焼末安窯さんの作品は、遊び心と使い勝手を考えた作品が特徴的。人柄と確かな腕前にファンも多い。多彩な釉薬を使用し、様々な取り組みから生み出される形、色、柄は高い評価を得ている。また、多くの展示会には数々の賞を受賞しています。
公式サイト:http://www.sueyasugama.com/
instagram: https://www.instagram.com/sueyasugama/
小代焼中平窯
〒864-0165 熊本県荒尾市樺1192
営業時間: 9:30~17:00
定休日: 水曜日、木曜日
TEL: 0968-68-7326
花器や食器類が多い。一般的な小代焼の黒褐色、灰色、暗青などの渋い地色ではなく、小代焼中平窯さんの作品は明るいクリーム地が特徴です。荒尾市のふるさと納税のお礼品に作品を出しています。
工房や登り窯は無料で見学ができます。土作り、作業風景、登り窯の順で解説してくれますが、時期によって見学内容が異なります。見学をご希望のお客様は、お気軽にスタッフにお声がけください。
個人の見学の場合は、予約不要です。写真撮影、SNSへの投稿も自由に行えます。ただし、他のお客様の迷惑にならないように、ご注意ください。
団体での見学は、事前の連絡が必要です。公式サイトの問い合わせフォームからご連絡ください。
公式サイト: https://www.nakaderagama.jp/
小代焼ふもと窯
〒864-0166 熊本県荒尾市府本1728-1
小代焼ふもと窯さんの小代焼は、シンプルさと力強さに定評がある。マツ灰を主とした青っぽい地釉に、ワラ灰の白い流しが調和して独特の味わいがある。深鉢を中心に、湯飲み、急須、皿などの日常雑器、茶道具まで手がけています。楽天で作品を購入できます。
公式サイト: http://www.mingei-okumura.com/fs/mingei/c/fumoto
小代本谷ちひろ窯
〒864-0131 熊本県荒尾市川登2131-74
自然豊かな中で、夫婦で陶器を作っている窯元です。じゃらんで陶芸教室・陶芸体験の予約が可能です。ぜひご利用ください。
公式サイト: https://www.chihirogama.com/
Instagram: https://www.instagram.com/chihiro_gama/?r=nametag
陶芸教室・陶芸体験予約: 【じゃらん】小代本谷ちひろ窯の予約先
五喜窯
〒864-0166 熊本県荒尾市府本1759-3
営業時間: 9:00~18:00(12月~2月までは17:00まで)
定休日:不定休
湯飲み、皿を中心に、花器なども手がける。土や釉薬は種類にこだわらず、米作りとみかん栽培を行う兼業農家ならではのワラ灰や、みかんの木の灰も使用する。みかんとワラを組み合わせた湯飲みは、明るい緑色に白い模様に仕上がっている。
小代瑞穂窯
〒864-0014 熊本県荒尾市上平山914
Instagram: https://www.instagram.com/mizuhogama_loui/
小代焼を購入する
窯元を訪れると、小代焼を購入したり焼き物体験をすることが出来ます。ただし、旅行で窯元めぐりする時間がない、遠方で荒尾市に来れない方もいると思います。そうした方に、小代焼きを購入出来る所の情報を集めました。
情報をご確認いただき、小代焼をぜひご購入ください。
楽天やYahoo!でも購入が可能です。買い慣れたサイトで購入したい時に、ご利用ください。
荒尾窯元関連MAP
小代焼の窯元めぐりに便利
GoogleMAPで荒尾市の窯元MAPを作成しました!
また、小代焼を使った料理を提供してくれるレストランも表示されます。焼き物に興味があり窯元に行きたい方、ご家庭で焼き物を使った料理の魅せ方の勉強したい方はぜひご利用ください。
焼き物に関する知識
器の名称
焼き物には部位によって、色々な名称が付けられています。底の部分では、粘土を付け足したり、少し高くした高台、切り糸で切り離したべた底の糸底があります。
釉薬の装飾
釉薬の一般的な装飾法は「下絵付け」と「上絵付け」の2つがあります。
1.下絵付け
下絵付けは、乾燥や素焼きした素地に直接絵付けする方法です。
ただし、そのままの状態で絵付けはしません。描いたままの時に不用意に触ると、色が落ちるしぼやける原因になります。また、一度汚すと消すのが難しいです。そのため、下絵付けでは、絵付けを終えたら必ず高火度の透明釉をかけて本焼きします。すると、下絵の絵柄が浮かぶようになります。
2.上絵付け
上絵付けでは素地そのものに、すでに透明釉をかけて、高温で本焼きしています。そのため、その上に描く上絵付けは、気になる箇所を拭き取って、何回も書き直すことができるメリットがあります。
色絵が主になりますが、初心者でも安心して絵付けを楽しめる装飾法です。ただし、素地を本焼きした温度よりも低温で焼き付けないと、思った色にならないデメリットもあります。
釉薬の発色の仕組み
焼き物の窯に炎にも種類があります。
「酸化炎」は釜の中の空気の通りを良くして完全燃焼させる炎、「還元炎」は逆に空気の通りを悪くして不完全燃焼させる炎のことです。
焼き物は釜の中で、酸素と結びついて酸化物になったり、酸素を放出して還元する化学反応を起こします。その「酸化」と「還元」の炎によって釉薬の発色を変化させます。
焼き物の焼成は、1.焙り、2.攻め、3.ネラシの順で行います。
1.焙り
焙りは、焚きだしから約900℃までを言います。この段階では、酸化炎で焼成します。この時に、素地や釉薬に含まれる有機物なども、酸化炎で燃えて化学反応が起きます。
2.攻め
この段階で900℃以上の焼成方法に変わります。また、酸化焼成と還元焼成に分けられます。酸化焼成は酸素を十分に送り込み、酸化炎で焙りの焼成を継続しますが、還元焼成で釜の中を酸素不足にして不完全燃焼の還元炎にして、酸素を放出させます。
3.ネラシ
最終段階のネラシになると、素地は引き締まり、釉薬もガラスのように溶けてきます。焼き物はほぼ焼きあがった状態になるので、釜の温度を上げずに均一化して、30分~1時間ほど継続させます。この作業の効果で、焼き物の発色が美しくなります。
発色は酸化焼成と還元焼成で変化しますが、ほとんど変化しないものもあります。発色の変化は、酸化焼成では素地に含まれる胴が青み系の発色になり、鉄は赤み系の色になります。逆に、還元焼成では銅が赤み、鉄は青みの発色になります。
釉薬の性質・外観の区分のひとつです。光沢のある透明無地の釉薬のこと。代表的なのは、染付に使う石炭釉や灰釉(高火度釉:1200℃前後で溶ける)、唐三彩(とうさんさい)のような鉛釉(低火度釉:800℃前後で溶ける)があります。