地域に根づく食文化としての「お好み焼きの魅力」
今回ご紹介するのは、荒尾干潟に近いお好み焼き屋「寿」さんをご紹介。
寿さんは、熊本県荒尾市に根づく地域密着型のお好み焼き店です。地元の人々に親しまれ、日常の食事はもちろん、家族や仲間が集まる場として長く愛されています。
お店はご家族で経営を支えており、主に女性が中心となって切り盛りしています。キャベツの仕込みをはじめ、注文が入ってからお好み焼きを焼く前の混ぜ込みまでを担当しています。
また、鉄板を囲む時間の中で生まれる会話や、変わらない味わいは、日常の中の小さな楽しみとして地域に溶け込んでいます。地域ファーストという考え方が息づく寿は、荒尾のお好み焼き文化を今も支え続けています。
特徴・魅力
地域に寄り添う味づくり
寿のお好み焼きは、奇をてらわない素朴さが魅力。キｈャベツを中心に、素材の味を活かした配合で、「いつ食べても変わらない安心感」があります。
寿さんでは、店員さんがお好み焼きの混ぜ込みまでを行い、各客席に備えられた鉄板に流して焼くスタイルです。混ぜ込みは寿さんに任されているため、いつ訪れても変わらない味を楽しむことができます。
人と人をつなぐ鉄板の風景
鉄板を囲みながら焼き上がりを待つ時間も、この店の大切な価値です。会話が自然に生まれ、初めて訪れた人でも居心地の良さを感じられます。
それは、長年にわたり経営を続けてきたからこそ育まれてきた、この店ならではの魅力のひとつ。
店の方とお客さんのやり取りはまるで家族のようで、店内にはあたたかな会話が広がります。常連のお客さんが「いつもの」と声をかければ、店の方は迷うことなく、いつもと同じ料理を用意します。忙しい時間帯には、お客さんが前の席の食器を店員さんに手渡したり、さっとテーブルを拭いたりと、互いに支え合う光景も見られました。
地域ファーストの店づくり
寿さんは観光向けではなく、荒尾で暮らす人のためのお好み焼き屋。その姿勢が、長年続く信頼とリピーターにつながっています。
現代の飲食店には多くの課題や大変さがあります。けれど、さまざまなシステムに頼らなくても、店の方と来店するお客さんが互いに支え合う関係性や温かさこそが、長年続く店の秘訣なのかもしれません。
